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2020年の衝撃~魔道記本編執筆再開!

 2020年……ライブの機会が失われ、『2020年の挑戦』と銘打った今年の野望は消え去った。仕事があることだけはラッキーだと思わないと(忙しく、大変なのではあるが)。

 

 創作活動としては昨年、小説を一編書き上げたが、そこで燃え尽きたかのごとくネタが尽きたかのごとく、一年以上、何も書けていない。外界との接触が絶たれた今こそ、やるべきことは創作なのに……

 

 「やらねばならない」の義務ではなく、自然体で創作を再開するためにはどうすればよいのか。

 

 『2020年の挑戦』とは1965年(昭和40年)にTV放映された特撮番組『ウルトラQ』第19話のタイトルである。ウルトラQは円谷プロのウルトラマンシリーズの第一作だが、まだヒーローのウルトラマンは登場せず、現れる怪獣や怪奇現象には人間が立ち向かう。当時世界に2台しかなかった超高額な撮影機材を使用した特撮とモノクロ画面であることも手伝って、絶妙な臨場感とリアルさ、怖さの同居した傑作である。

 

 僕は小学生の頃に再放送で見たのが最初だったが、衝撃を受けた。なかでもトラウマ的に印象に残っているのが『2020年の挑戦』の回。どこからともなく現れるドロドロの液体に触れた人間が一瞬で消滅するという不気味さに、序盤で主人公まで消されてしまうという衝撃。何より、ケムール人という、目が段違いで溶けかかったような顔の怪人が、不気味な笑い声でパトカーより早く走る映像が頭を離れない。

 

 そのケムール人が「2020年という未来の時間を持つ世界からやってきた」という設定で、それがタイトル『2020年の挑戦』の表すところなのだが、おかげで僕は2020年になったらケムール人が来るんだ! と真剣に思い込んでいた感がある。

 

 ただ、1970年代のことであり、その頃「2020年」なんて、ウルトラQで見たのと同様、現実味のない遠い未来の話だった。もっと現実味のあった1999年のノストラダムスの予言とか、鉄腕アトムが誕生する2003年とか、それよりもずっと後のことなのだから。

 

 しかし、ノストラダムスの予言は回避され、鉄腕アトムも誕生し、そして気が付けば今年ついに2020年。

ずっと頭の片隅にはあった『2020年』というキーワード。それが、来てしまった。まさか、僕自身が2020年という時間にたどり着くとは当時夢にも思っていなかった。だが、中身はなんだかテレビのブラウン管の前で白黒の特撮映像に一喜一憂していたあの頃とあまり変わっていないような……。

 

 500歳の老いた肉体をなんとかしようと地球人を誘拐に来たケムール人。僕自身、半世紀以上生きて確かに肉体の衰えはケムール人のように。ああ、そういうことなのか。と妙に納得。ただ、ケムールと同様、無限の未来が待っていた当時とは違って、そろそろ人生のリミットも実感として意識し始めている。

  

 「行き詰まった」とか言い訳を並べている場合ではない。2020年、挑戦の年なのだ! ――のはずだったのだが、世界はパンデミックに覆いつくされ、冒頭のぼやきにつながる。いや、僕だけではなく、世の中の多くの人々にとっての2020年は消滅、誘拐されたのではなかろうか。

 

 ところが、そんな2020年も終わろうかという12月になって、この閉塞状況の突破口になるかもしれない(実際、HPも久しぶりに更新できたし)今年最大の「まさか」に遭遇するとは。

 

――続きは、魔道記の本編で。

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