<付記> 旧シリアル番号考察
旧シリアル番号についてはLarrivee社においても詳細は把握できていないのが現状であり、本項の内容については完全に独自調査による見解であるため、その根拠を以下に記しておく。
①シリアル番号管理がビクトリア移転後から始まったことについては、下記の事実から判断
・トロント時代の1974 Clasicalと1977 Presentationについて、どちらも記号番号の類の刻印がないこと ・L-10 Deluxe 1978をはじめ、ビクトリア時代以降のものには6桁または4桁の番号が刻印されていること
②体系(上2桁=型番、下4桁=通番)については、下記の事実から判断
・カタログにある型番と6桁の番号の上2桁は一致する(例:L-10 → 10xxxx、L-28 → 28xxxx)
・「カスタムモデル」と紹介されていたものは4桁の数字であること、また、その数字が外観の特徴から推測する製造年の通番として辻褄が合うこと
③下4桁が通番であることと、ビクトリア時代の年間生産本数推測については、下記の事実から判断
・公式ウェブサイト中の「HISTORY」のページにある下記内容
公式ウェブサイト中の「HISTORY」のページ
https://www.larrivee.com/about-larrivee
「ビクトリア移転時、8人の職人が1ヶ月に25~30本のギターを製作」
「工場移転から1年も経たないうちに、14人の職人が1日に4本のギターを製作」
(https://www.larrivee.com/about-larrivee より抜粋、和訳)
・実際のシリアル番号(下4桁)と製造年
0097:1978年
0494:1978年
0703:1979年
1060(製造年記載なしのAllan McGeeラベル):1980年頃のおそらくラベル切替わり直前と推測
1192(1980年購入、1980 Victoriaラベル):1980年
22xx(ノースヴァンクーバー前期):1982年
2869:1984~1986年
・L-31 Classical 1978(シリアル番号:310494)の製造年をLarrivee社に問い合わせた回答が以下の通りであること
Your guitar is too old for an accuarate date.
It was the 494th Larrivee built.(494番目に製造したもの)
以上の情報より、下4桁は「ビクトリア移転後の全モデルを通しての通番」と判断した。
年間生産本数についてはデータから単純計算で5年間で2200本程度、年間平均440本である。「8人の職人が1ヶ月に25~30本~」のくだりから当初は年間360本ペースであるが、実データから1978年末には累計500本に達したと見る。次に「14人の職人が1日に4本~」だと単純計算だと年間1400本程度になるが、1979年の生産本数は実データから最大でも約660本(1160 - 494)である。実際は500~600本程度と考える。1980年~1981年も同程度と考えると、1981年末には2100~2200となり、1982年の2200となんとなく辻褄が合う計算になる。
ただ、いかんせんサンプル数が少ないため、各「年」の境界が何番なのかの精度は現状ざっくり推測の域を出ない。可能なら、もっと実データのサンプルを収集し精度を高めたいところではある。
<現状での推測>
製造年 通番
1977 0001~0050
1978 0051~0500
1979 0501~1000
1980 1001~1600
1981 1601~2100
1982 2101~
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特に精度を高めたいのは1980年、1981年、1982年の開始番号!