(1) ラベルの変遷
現在、Larriveeの公式ウェブサイトにはラベルの変遷についてのページがある。
公式ウェブサイト中の「Label History」のページ
https://www.larrivee.com/archives-artifacts/label-history
また、キョーリツコーポレーションのウェブサイト内にも同様に日本語版の「About Our Guitar Labels」ページがある。
https://kcmusic.jp/larrivee/about-us/label
↑2019.02.11 代理店業務終了のため閲覧不可になりました
ラベルの仕様変遷の詳細についてはこれらの公式ウェブサイトを参照願いたい。ここでは、僕の手持ちの画像を交えてカナダ時代のラベルについて若干の補足説明を。
先ずはAllan McGeeラベルの変遷について
ギターの絵の左側に当時の所在地「TORONTO」の記述、右側の手書きの数字は製作(開始)年。サインは「Jean Larrivee」と書かれている。
サインはこれ以前の1976年より「Jean」と変更されている。
所在地がビクトリアに移ったのを期にギター左側の文字が「VICTORIA」と変更になった。
1978年途中から「VICTORIA, B.C. CANADA」と変更になっている(「B.C」はBritiosh Columbia(州の名前)の略)。
1980年以降はLarrivee氏の奥さんであるWendy Larrivee氏デザインによるcharub(天使)モチーフの図柄に変更された。また、これを機にJean Larrivee氏手書きのサインと制作年は省略となる。
1980 Victoriaは、1980年~1981年の2年間のみ使用された希少なラベルである。
1982 Updated charubについては、1980 Victoria labelとイメージがそれほど変わらないと思っていたけれど、並べてみるとかなりの違いがあることがわかる。この時代はまだセンター部の裏板補強板による段差がある。
同じ1982 Updated charubであるが、この時代にはセンター部の裏板補強板がないため、ラベル面の段差もなくフラットになっている。
1982 Updated charubは1982年から1995年途中までの間、カナダ時代では最も長期間使用されたラベルである。ただ、ノースヴァンクーバーに移転した前後の時期に採用されたにもかかわらず、このラベルには「VICTORIA,B.C.CANADA」と表記されている。驚くことにこれがノースヴァンクーバー時代を通してはもちろん、その後のヴァンクーバー時代の途中までそのまましれっと使用されていたのである。このことがLarriveeギターの年代特定を行う際に混乱を生じさせる要因の一つともなっているのであるが――。
the last of Canadian issuedでは、charub(天使)が一人のデザインとなる。1995年からアメリカ時代の2013年カナダ工場閉鎖までの間使用されていた模様。
モデルの型番とシリアル番号の印刷あり。この仕様は1998年の新しいVancouver工場移転前までと推測する。 表記は正しく「Vancouver,British Columbia Canada」に改められている。
型番とシリアル番号が無くなり、再び全モデル統一の文言のラベルになる。
なお、アメリカ時代のラベルについては未調査のためコメントなしとする。