2004年末にギターを再開してからの数年間は指弾きのソロ演奏に注力していたのだが、その頃、指弾きソロ系ギタリスト界隈に人気の高いことで入手したのがVICTOR CAPO。
VICTORというメーカーが作っていたオリジナルのものが有名なのだが、現在はJim Dunlop製になっている。僕が持っているのはJim Dunlopのものだ。
スクリュー式だが、ネックの片側から挟み込んでセットする「フ」の字型(「コ」の字?)。これは使ったことが無い形状だった。
見た目も質感も良く、期待して使ってみたのだが――残念なことに、これがどうも手持ちのLarriveeと相性が合わず、早々と使わなくなってしまった。
ただ、同じスクリュー式でもYAMAHAなどの「D」の字型より「フ」の字型は着脱が簡単な点は大いに気に入った。
それで、次に目に留まったこちらはPlanet Waves NS Capo。
ちょうど弾き語りを再開した頃に発売され、評判になっていた。これも現在はDAdario製となっているが、VICTORがオリジナルとは仕様が変わったのに対して、これはロゴが変わっただけだ。
アルミ製で軽量。音の変化が少なく、使いやすい。NS CapoはLarriveeと相性が良く、現在も愛用している。
こちらは派生モデルのNS Capo Lite。本体が樹脂製(つまみ部分はアルミ製)だ。
NSカポより5g程軽量。値段は1000円ほど安いが、使い勝手は変わらず音もほとんど違いは感じられない。コストパフォーマンスは抜群である。こちらは特に「電気式Coffee Break」でのES-Les Paulと相性がいい。
余談だが、「フ」の字型のカポタストを取り付ける方向は1弦側からなのか6弦側からなのか?
使い勝手の面では、なんとなく6弦側から付ける方がしっくり来るのだが、ロゴの向きから見ると、ロゴが正立する1弦側からが正しいように見える。
はたしてどちらが正しいのか、それとも別にどちらでも良いのか――たぶん、ネックの裏のカポのロゴなんて誰も見ないだろうから、どちらでも使いやすい方でいいのだとは思うのだが。
2009年に弾き語り活動再開後――
「音がいい」という口コミが気になって入手したJohn Pearse OL'Reliable Capo
ブラス製なのでけっこう重い。YAMAHAと似た感じだが、弦を押える部位が円筒形(YAMAHAは四角柱形)で材質も固いことの影響か、すこぶる音は伸びる。音の響きが「いい」という意味ではこれが一番かもしれない。
製造元のBreezy Ridge Instrumentsはアメリカのメーカーなはずだが、僕が最初に入手した旧型はなぜかチェコ共和国製だった。
こちらはロゴデザインが「JP」とシンプルになった新型。アメリカ製で作りがややカッチリした感じ。音は旧型と変わらず、いい。弦を押える部位がより細くなったためか、旧型より若干響きはタイトな印象である。
その後、L-78Presentation Cutaway究極の魔女に相応しいカポタストを、と探して2011年末に入手したのがElliott McKINNEY 。
かつて、トニー・ライスというギタリストが使用し「カポタストのロールスロイス」と呼ばれたMcKINNEYというカポタストがあって、これはそれを復刻したものだ。ステンレス削り出しの手作り製品で、工作精度は高い。
デザインの美しさ、作り、音質、すべてが別格で、僕にとっての「究極のカポタスト」と言える一品だ。
付けても開放弦と音がほぼ変わらないのがいい。スクリュー式だが慣れると使いやすく、移動もスムーズに行える。
もう一つ、こちらはShowcaseというブランドのMcKINNEYカポ。
同じくMcKINNEYカポの復刻版で、見かけはほぼ同じだが製造元が異なるので別の商品だ。違いは? というと僕の手持ちの品で比較すると、重さは28gと29gでShowcaseの方が1g軽いくらいでほぼ同じ。
ただ、作りの面ではShowcaseの方が動作部の「遊び」がやや大きい。その分、だいたいの目測で位置決めして締め込みながら微調整、というラフなやり方でも可能でなので、ライブ本番はもちろん、割と普段使いにも活躍している。
一方、Elliott McKINNEYの方は作りがカッチリしている分、それが音にも反映されるようだ。的確な位置に取り付けが決まった時の音は素晴らしい。ただし、最初の位置決めをちゃんとしないとうまく決まらない。普段使いというより、ここぞという場面用の位置付けとなっている。
こうしてギター共々「究極」に行き着き、これにてカポタストの旅も終了かと思っていたのだが――
続く… 次回はいよいよSHUBBの話へ!
2022.04.03